空室が埋まらない。家賃を下げるべきか。。。
入居率が下がって苦労している貴方。 アパート経営において、一番の心配事は空室。
管理会社からの空室連絡は憂鬱な気持ちになります。 特にローンを組んだアパートは、空室が続くと資金を取り崩すことになる。
固定資産税の支払いも考えると頭が痛い。
アパート経営は空室をいかに素早く埋めるかが重要。
空室対策は色々ありますが、その1つとして代表的な方法は家賃の値下げ。
収入は減りますが、今よりも早く空室が埋まるなら仕方ないと考えていませんか?
1番即効性があり、楽な方法ですが、様々なデメリットがあります。
また、将来の売却活動において査定額に響く恐れがあります。
安易な家賃値引きは将来の利益を削る行為
目標は高値売却
安易な値下げはお勧めしない。デメリットを理解して選択しよう。
値下げの弊害
- 表面利回りが下がる
- 価格競争に発展する
- 値上げが難しい
- 査定額に影響する
家賃収入だけでなく、売却額にも影響します。 家賃の値下げは慎重に検討しましょう。
アパート経営は長期目線で考える。
1、表面利回りが下がる
表面利回り→「満室時」の共益費含めた家賃収入の1年間の儲け(収支)を物件購入価格で割った数字
年間家賃収入÷物件購入価格
(例)家賃収入50万円/年で物件価格500万なら表面利回り10%
貴方が一生アパート経営するなら、表面利回りは無視してもいいかもしれません。
しかし、将来アパートを売り、売却益を得ようとしているなら話は別。 家賃を下げれば、下げるだけ表面利回りは下がります。
買い手は表面利回りを見ている
物件の収益性を判断する指標の一つとして表面利回りは重要です。
収益物件は
- 立地
- 建物タイプ
- 築年数
など同条件の建物であれば、稼げる方に注目が集まります。
表面利回りが低いと買い手が付きにくい、という事実を知って下さい。
あくまで指標。だが、表面利回りを見ているのも事実。
2、価格競争に発展する
周りのアパートが家賃を下げ、空室率が改善した。 こんな話を聞いたら貴方ならどうしますか?
恐らく、「ウチも値下げした方が良いのかな。」と考えると思います。
家賃は周辺物件との相場で決まります。 借り手側の立場で考えると、同じグレードの建物なら、安い方を選ぶ。
貴方が家賃を下げれば、周りも下げる。価格競争で疲弊する未来が待っています。
家賃値下げは価格競争に発展する恐れがある諸刃の剣です。
差別化するのが利回り維持のコツ
3、値上げが難しい
空室が目立ったために、一旦値下げしてしまった家賃。 入居率が戻ってきたからと、元の家賃に戻せますか?
貴方が入居者であれば、値上げ交渉があれば引っ越しを視野に入れるはず。
家賃価格は需要と供給で決まります。貴方の一存で気軽に上げ下げするのは危険。
周辺物件との兼ね合いもあり、値上げは非常に難しい。
賃貸需要が高い土地でも、家賃の値上げ交渉はかなり難しい
4、査定額に影響する
物件売却時には、不動産会社に仲介を依頼します。
査定方法が、収益還元法だった場合は満室時の年間家賃収入から利回り計算をします。
算出した利回りから、周辺の物件相場と比較して、机上価格はじき出す。 というのが一連の流れになります。
家賃が低いと利回りが低くなります。つまり、家賃を下げれば査定額も低く見積もられてしまう。
最終的な売値を決めるのは貴方ですが、売買において相場は大事。 高値売却を目指すなら、安易な家賃値引きは避けましょう。
家賃値引き=売却益を削る行為。
値下げに頼らない経営 を目指す
値下げ以外で入居付けをしやすくする方法はいくつかありますが、即効性のある方法を3つ紹介。
実際に筆者も空室期間が長くなるとやっている方法です。
表面利回りが下がらない3つの方法はコチラ↓↓↓
①広告料を引き上げる
②敷金礼金を安くする
③フリーレント期間
いずれも表面利回りが下がらないので、売却を見据えたアパート経営をしている場合は非常に有効です。
①広告料を引き上げる
入居募集の活動は賃貸営業マンが行います。 賃貸営業マンも仕事なので、広告料が高い案件から取り組みたい。
多少、家賃が高くても広告料が高ければ、優先して案内してくれます。
広告料をケチって、入居付けが難しくなっている可能はありませんか?
(実例)賃貸営業マンの動きで入居率は変わる
繁忙期や閑散期があり、時期により入居付けの難易度は変わります。 なかなか決まらない時期は必ずあります。
決まりにくい時期は、営業マンのモチベーションをアップさせて乗り切るのも1つの手。
決まりにくい時期は広告料を1ヶ月分上乗せして依頼します。
②敷金礼金を安くする
敷金・礼金が安ければ、家賃が多少高くても、入居申し込みが入ります。
なぜなら単身向けアパートは新社会人や学生など、貯金があまり無い世代の方々の入居希望が多いから。
入居条件を低くすると、空室は埋まりやすい。
初期費用の負担が重く、入居のハードルが上がっている場合があります。
(実例)筆者の物件の場合
- 東京物件:敷金無し
- 大阪物件:敷金/礼金無し
大阪は周辺に同グレードのアパートが集中しており、敷金と礼金を無くし、差別化。
これは管理会社の提案なのですが、入居者ニーズを把握しているので、素直に意見を取り入れています。
従来通り、敷金と礼金を付けて、空室期間が延びるより、早く入居してもらった方がメリットは大きい。
空室はいつまで続くかわかりません。経験上、目先の利益を優先し、空室期間が長くなってしまうと長い目で見て損をします。
1日でも早い満室経営を目指しましょう。
不動産投資において一番やってはいけないことは部屋を遊ばせること
③フリーレント期間
周辺物件で敷金・礼金を安くしている、もしくは無くしている場合の差別化としてフリーレント期間を設けるのは有効です。
(実例)大阪はフリーレント
差別化の1つとしてフリーレントを設けています。 入居者目線に立つと、無償期間があると、引っ越しの準備など何かと使い勝手が良い。
大家側は多少手残りは減りますが、それでも入居が決まるなら安いモノと割り切っています。
注意点
②と③については、経済的にあまり余裕の無い人まで募集してきます。家賃滞納や夜逃げのリスクは高まります。対策しましょう
対策例として2つ紹介
- 入居審査のハードルを少し高くする
- 家賃保証会社を入れる
出口戦略
3つの方法は実質利回りは下がりますが、表面利回りが下がりません。 表面利回りが下がらなければ、査定に有利。
売却価格に影響が出ないのでお勧めの方法です。 こういった方法を知っているか、知らないかで、将来の得るお金に差が出ます。
資産形成の為に効率良く経営していきましょう。
新築アパートはリセールを狙う
新築アパート投資は初期投資が大きく、手元に残るお金が少ない投資です。
反面、新築故に10年前後で売り出せば、リセールバリューは非常に高い。 売却で利益を出し、初めて成功と言えます。
目先の利益につられて、将来の利益を削ることのないように上手く経営して下さい。
価値を上げるも下げるも貴方次第です。
まとめ
安易な家賃値引きは将来の利益を削る行為
目標は高値売却
アパート経営をしていると、空室や修繕などで突発的にお金が出ていきます。
毎月のローン返済もあるし、覚悟を持ってアパート経営していても、 実際に資産が減っていく場面では弱気になってくるのが人間。
特に築年数が経てば経つほど、入居率は下がりやすいく、家賃値下げを行うのは有効。
しかし、下げるデメリットを把握しておかないと、後々貴方が困ります。アパートの価値は貴方が決めるのです。
新築アパート投資とはどういう特性を持った投資なのか?
貴方の最適解を見つけるお手伝いが出来ますように。共にがんばりましょう
都市部/駅チカ/新築木造アパートのブログを書いています。
2016年に不動産投資を始めて7年目
本業はサラリーマンの兼業大家です。
東京と大阪に計3棟の新築木造アパート所有(管理戸数24戸)
購入から、管理会社とのやりとりなど一通り経験し、アパート経営に必要な
「買う」「持つ」「売る」「備える」
に詳しくなれる記事を書きます。
詳しくはこちら→プロフィール
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