新築アパート投資のデメリットが知りたい
物事の良い面だけでなく、悪い面もちゃんと理解しようとしている貴方は素晴らしい。
メリットの裏には必ずデメリットが存在します。良い面ばかりを鵜呑みにしていると、悪い面が見えなくなる。
顧客獲得がゴールの不動産会社では絶対に書かない事実を書きました。
今回は筆者が実際に新築からアパート経営に携わった中で見えてきた
新築/駅チカ/都市部/単身用/1棟アパートが賃貸経営に不利な点をお伝えします。
物事の裏側を見ることで、更に理解が深まります。ネガティブな面を知って、それでもやりたいなら本物。
前回記事(都市部のアパート経営のメリット)と併せて読んで下さい。
貴方のお役に立てれば幸いです。
改めまして、筆者は東京と大阪で3棟24室の単身者向けアパートを経営をしています。
土地と併せて、新築で購入しました。2016年からアパート経営を始め、大家歴7年目。
投資条件は以下の通り
- 新築
- 駅チカ
- 都市部
- 単身用(1R/1LDK)
- 1棟アパート
貴方が1~5の条件で不動産投資をしたいなら必見です。
カモネギにならないように、良い面も悪い面も知っておきましょう。
事業です。
厚めの資金と勉強必須
経営者意識で挑む
①返済額が大きい
規模や設備にもよりますが、新築木造アパート1棟の購入額は数千万円です。土地と建物合わせると1億円以上になることも。
大抵の人は銀行から融資を受けて、アパートを購入します。
お金を借りて自己資金以上の物件を購入出来るのが、不動産投資の魅力の一つ。
投資効率が良い反面、借入額に比例し、毎月の返済額が大きくなることを忘れてはいけない。
家賃収入が返済額を下回った場合、差額を資産から取り崩して支払う必要がある。レバレッジ効果は諸刃の剣。怖さも知っておこう。
②手残りは少ない
筆者の場合、3棟が満室経営で約37万/月の家賃収入が入ります。
- 東京:6室満室で手残り6.7万
- 大阪:9室満室で手残り15万×2棟
魅力的な副収入ではありますが、総借入額は3億円。
空室が出れば家賃収入は少なくなります。
管理費/返済額/固定資産税など諸々の維持費を差し引くと純粋な手残りは21万/月。満室時の家賃収入の6割程度です。
儲けは投資額の1%以下
年間家賃収入の総額は、252万(21万円/月×12ヶ月)
2023年時点の3棟分の残債(ローン残高)が約2.8億
投資額に対する年間の儲けはおよそ0.9%(250万÷2.8億)です。
家賃収入250万を多いと見るのか、残債に対して少ないと見るのかは貴方次第。
投資条件にもよるが、2%前後があれば優秀
売れば「必ず儲かる」保証は無い。
「必ず儲かる」物件など存在しない。様々な要素が絡むからだ。
流動性も低く、株のように数日で売ることは実質不可能。売って利益が出るかは売ってみないとわからない。
そんな中で億単位の借金を背負って送る生活。貴方は耐えられますか?
返済以外にも突発的な修繕費など、新築でも出て行くお金は多い。
③現状把握が必要
放置ゴミやポイ捨てなどのゴミ問題。騒音や入居者同士のトラブルなど、問題は水面下で起きている。
オーナーになれば問題の先延ばしは厳禁。解決していかないと空室の原因になりうる。
管理会社も全ての物件の「今」を詳しく把握していない。行ける距離に物件があるなら定期的に物件の様子を見に行く。
行けない距離なら管理会社と密に連絡を取り、状況把握に努めよう。管理業務を委託出来るとはいえ、多少の労力は覚悟する。
修繕費用を確保する
突風、落雷、大雨など自然現象により建物の修繕が発生することがある。更に、ゴミ箱の破損など人由来の修繕も珍しくはない。
突発的な費用に対応するお金は絶対に必要。資金の枯渇はアパート経営からの退場を意味する。
建物が実物資産である限り状況は常に変わる。柔軟に対応出来るよう資金は厚めにしておこう。
火災保険で対応可能な場合が多いが、はねられることもある。保険を過信するのはNG
④事件、事故による空室リスク
1棟物件は事件、事故によるリスク分散が弱い。
トラブルが起こった際、その部屋だけで無く、物件全体に影響が及ぶ可能性があるからだ。
対象の部屋以外でも入居付けが困難になる危険性がある。
突発的な事故は防ぎようが無い。家賃滞納も経験するだろう。常にリスクを孕んでいる。
保証会社を付けるなど、リスク対策は可能だが、絶対は無い。
大阪と東京でそれぞれ、アパート経営している理由は事件、事故による空室リスクを分散するためだ
⑤空室が出やすい
複数の部屋を所有しているので空室頻度は高い。1年間を通してずっと満室状態の方が珍しい。
ある程度の空室を想定しながら経営する必要がある。空室が埋まるまで部屋の家賃収入は0円
空室の度に、入居付け費用や原状回復費を管理会社へ支払わなければならない。
経営資金が枯渇しないように、お金の流れは常に把握しておこう。
複数の部屋で運用しているので入居率は9割前後で安定している。
⑥単身部屋の入居期間は3年前後
入退去のペースは平均3年といったところ。早い人なら数ヶ月。3年以上入居している人もいるが少数派。
退去理由は様々。転職、結婚、異動、里帰りなどライフイベントが変わるタイミングが多い。
単身者は入退去のフットワークが軽く、ずっと入居してもらえる居住者層ではない。
ファミリー層を狙う方が長期間入居してもらえる可能性は高いが、単身世帯が増えているので地域特性を考慮して居住ニーズにあった物件を選定しよう
⑦投資出来る人を選ぶ
万人向けでは無い。銀行から融資が下りなければ買うことは難しい。
1棟アパート投資が出来るまで属性を高める必要がある。
最初は数百万の少額投資で資金を確保して、物件規模を拡大していく大家さんもいる。
⑧常に勉強
正しく経営するためには購入後も勉強が必要。むしろ、購入後の方が学ぶ事は多い。
物件を持っていると、大小様々な状況に出くわす。机上では経験出来ないことばかりだ。
真剣に取り組めば圧倒的な経験値を得ることが出来る。
せっかく苦労して手に入れた物件。そこから活きた情報を学ばず、どこで学ぶというのだろう?
自己責任の世界
事業内容を把握していない経営者など存在しない。様々な困難を乗り越えれば貴方は大家として確実に成長している。
出口戦略、税金知識はもちろんのこと、退去時の原状回復工事の施工内容など、持ってからも常に知識や情報を蓄える意欲が大切。
不動産に限らず、どの業界でも情報弱者は養分にされる。
信じていたのに裏切られた!
は通用しない。
貴方の意志で始めた不動産投資。自己責任の世界だ。
知識こそ、最強の防具であり武器
特に新築は売って利益が出るかどうかが成功の分かれ目。
何も考えずに売りに出してしまうと、売却益が思うように出なかったとうこともある。
売却活動は不動産投資の集大成。様々な思惑が交錯する戦いだ。
ラスボスに挑もうとしているのに、装備を調えず挑もうとするのは無謀。常に学ぶ姿勢が大切。
「楽」にあぐらをかくな
業務の丸投げは絶対にお薦めしない。新築物件は修繕リスクが少なく、中古物件よりも手離れは良い。
管理会社に業務委託すれば、やることは少ない。しかし、「楽」にあぐらをかいているようでは養分大家まっしぐら。
外注して浮いた時間は。。。ここまで言えばわかりますね?
まとめ
事業です。
厚めの経営資金と勉強必須
経営者意識で挑む
新築アパート投資は自動キャッシュマシーンではない。生半可な気持ちでやると本当に痛い目を見る。
始めるハードルが高く、資金管理能力も必要。コツコツと努力を継続出来る人が残る。
手に入れるのも、持つのも大変。手残りは少なく、出口戦略を成功させて初めて報われる。
それでも貴方はやりますか?
良い面だけでなく、裏側にある事実を受け止めて尚、ブレない気持ちがあれば本物です。
不動産投資の世界は玉石混交。
「アノ人が言うなら間違いない!」と鵜呑みにしているウチは絶好のカモ。盲信は養分大家の第一歩です。
自分のリスク許容度がどこまでなのか基準点を作り、投資軸を育てましょう。この記事が貴方の軸を育てる一助になれば幸いです。
供に成長していきましょう。
都市部/駅チカ/新築木造アパートのブログを書いています。
2016年に不動産投資を始めて7年目
本業はサラリーマンの兼業大家です。
東京と大阪に計3棟の新築木造アパート所有(管理戸数24戸)
購入から、管理会社とのやりとりなど一通り経験し、アパート経営に必要な
「買う」「持つ」「売る」「備える」
に詳しくなれる記事を書きます。
詳しくはこちら→プロフィール
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